82歳で”にわか有名人”となった若宮正子さん!

60歳(三菱銀行退職)でパソコンに出会い、81歳でプログラミングをはじめ、82歳(昨年)でiPhoneアプリ「hinadan(雛段)」を開発し、それがアップルのティム・クックの目に留まり、毎年6月に開催されている「世界開発者会議(WWDC2017)」に昨年特別招待された若宮さん。今年2月には国連総会にて、「高齢者におけるIT技術の必要性」を英語でプレゼン、国内では安倍総理主導の「人生100年時代構想会議」に有識者議員を拝命し、毎月議論に参画されている。

最近高齢者社会を迎えて、若宮さんがメディアに登場する場面が増えており、ご本人も“にわか有名人”と笑っておられる。「致知 2018.5」の致知随想で“いま求められるのは人間力”とのテーマで寄稿され、東急不動産HDグループが発行するシニアライフのための情報マガジン「CREER LIFE2018夏・秋号」にも登場されている(新しいことをとりあえずやってみて)。

他にも2006年EXCELの表を塗ったり、グラデーションをつけたりするエクセルアートを考案し、それがマイクロソフトから絶賛され、公式コミュニティーにつくり方が紹介されているそうだ。
もともと好奇心旺盛な方だそうだが、自分の興味関心に従ってやりたいことを自由にやっていたら、評価していただけたというのが正直な実感だと言われる。人から「60代でパソコンを始めるなんて、勇気があるわね」と言われるが、始めた契機は、当時90代の母を自宅介護しているときで、「誰かと繋がりたい」との単純な動機で外に出なくてもいろんな人とコミュニケーションできると聞いてパソコンを始めただけ。失敗しても、途中でやめても誰にも迷惑をかけないし、気楽に始めたそうだ。1999年には「メロウ俱楽部」というシニア向けコミュニティサイトの設立発起人となり、シニアの方々が俳句や文芸など趣味を通じてありのままの姿で交流することを支援されている。3Dプリンターで好きな物を作り、介護分野での活用を視野に入れてAIスピーカーの使い勝手を比較実験してみたり、本人曰く「好奇心に従って生きてきたら、60歳から人生が楽しくなり、80歳からはもっと楽しくなった」と言う。人から“ありがとう”とか”おかげで助かった“と言われる幸せ感を味わいながら、これからも人のために、何でもいいから「これは」と思ったら「とりあえずやってみる主義」で行きたいとのこと。これからは「健康寿命」よりも、社会参加をして、社会に役に立つ「活動寿命」に価値観が変わっていくことの必要性を訴える。高齢者が幸せに生きるために。

一貫した「誰かとつながりたい」、そして「お役に立ちたい」との思いを自然体で行動に移し、それをトコトン追及してものにしてしまう、こんな若宮さん。思いの強さを行動につなげる、若者の特権とも思っていたが、高齢者でも若者を凌ぐ行動力で素晴らしい成果を出している若宮さん。これを刺激としてこれからの生き方を考え直してみたい。若者にとっても大いに刺激になるのではなかろうか。

魚でも生きるための顧客戦略が?!(ホンソメワケベラ)

6月25日のNHK「ダーウィンが来た」の番組で魚の不思議な行動に驚愕!題名は「海の名ドクター・ホンソメ先生の正体」。ホンソメワケベラは、他の魚につく寄生虫を食べて自らの栄養源にするとともに、他の魚を健康にする「海の名ドクター」で、ハタなど大きな魚の口の中も掃除する。ホンソメワケベラの周辺で多くの魚が順番待ちしている姿や、寄生虫を食べている間立ち泳ぎのようにして気持ちよさそうにしている姿が映し出されていた。ホンソメのひれでマッサージのサービスもして、お客の魚を喜ばしている。
びっくりしたのは。他の魚の表面にある粘液のほうが、寄生虫より高カロリーで必須アミノ酸もあり、ホンソメにとって好都合だが、これを食べるには表面に歯を当てて食べることになる。大きな魚は痛くて怒ってホンソメを追いかける。ホンソメはこの行為を、他の魚が少ないときに行うらしい。客を失いたくないため、お客の魚が多くいるときは、寄生虫を食べ、マッサージをする。そしてお客の魚が少なくなれば、表面の粘液をかじる。客を失うことを最小限にするための窮余の策だ。
ハタなど小魚を食とする魚が、ホンソメとなると口の中に入っても決して食べることはないのはなぜか?番組の中でかまぼこを使ってホンソメに似た横縞模様のものと縦縞のものを作り試したところ、縦縞のものはすぐ食べてしまうが、ホンソメに似た横嶋のものは食べなかったそうだ。そのため、偽ホンソメも出現しているとのことだ。番組の内容は

人間だけではなく、動物も生きるための熱意が進化につながり、種が保存される。必死に生きようとする熱意に応える神様の仕業としか考えようがない。
これまでにも何度か「ダーウィンが来た」に出てきた動物の不思議さを当ブログで紹介している(http://okinaka.jasipa.jp/archives/198など)が、世界で初めての撮影と言う場面も多く、ほとんど毎回見させてもらっている。

”メルカリ”上場で「ユニコーン企業」に注目増す!

“ユニコーン企業”が最近メディアを賑わしている。20日の日経朝刊ではメルカリ上場の情報とともに米国、中国に比して日本の“ユニコーン企業”の少なさが指摘されている。記事は下記で始まっている。
「フリーマーケットアプリのメルカリが19日、東証マザーズ市場に上場した。時価総額は7172億円と今年最大のIPO(新規株式公開)となり、「ユニコーン」と呼ぶ世界標準にかなう成長企業の証明を果たした。だが、日本に次のユニコーン候補は少ない。メルカリ上場は日本のスタートアップ企業の問題点も浮き彫りにする。」

“ユニコーン企業”とは、「創設10年以内、評価額10億米ドル以上、未上場、テクノロジー企業」といった4つの条件を兼ね備えた企業を指す。当記事では、ユニコーン企業は米中に集中しており、集中度は90%近く、日本は大きく立ち遅れていると言う。日本では人工知能開発のプリファード・ネットワークや、健康増進器具”シックスパッド”を手掛けるMTGなどごくわずかしかなく、日本経済の成長力を懸念する。

「中国新興企業の正体」(角川新書、20184.10刊)を出版された多摩大学大学院フェローの沈才彬氏が、「日本が中国に“ユニコーン企業”の数で大敗北を喫した理由」(2018.5.31、http://gendai.ismedia.jp/articles/-/55805)のタイトルで警告を発している。IT企業に代表されるニューエコノミー分野では、すでに中国は先進国入りしたと言える。世界企業価値(時価総額)ランキング(2017.12時点)のベストテン企業に、アメリカのGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)とマイクロソフトの次の6位にテンセント、8位にアリババがランクインしている。ちなみにトヨタは41位だ。沈氏はグーグルを追い上げる百度(バイドゥ)とサムスンとアップルを猛追する通信機器のファーウェイを加えてBATHと呼ぶ。ほかにもシェア自転車のモバイク、出前サイトのウーラマ、民泊サイトのトウージア、ドローンメーカーのDJIなど、各分野で世界市場を席巻し始めている。同分野の日本企業と比して取扱量はけた違いに大きい。

19日の日経朝刊には「京東、王者アリババを猛追」との記事で京東集団にグーグルが600億円出資とある。20日の日経朝刊には「車を変える“次の深圳」と題して、新経済特区の建設を表明した北京近郊の雄安の都市計画で自動運転技術の実現化を目指すという。構想の中には、従来の車や二輪車を地下道に、自動運転車を地上の道路に集約するという奇想天外なものもあるという。中国ならやりかねない。中国では次から次へと”ユニコーン企業“が輩出されている。

日本はなぜ”ユニコーン企業“がでてこないのか?日経記事が言うのは、中国ではベンチャー企業には最初から規制を設けず、問題が生じるまで事業を自由にやらせているという。沈氏は、それを「先賞試、後管制」と言う政府の方針で、「まず試しにやってみよう。問題があれば後で政府が規制に乗り出す」との意味らしい。日本は「先管制、後賞試」のため、法整備のされていないゾーンへの参入が困難で、典型的な例が民泊や配車アプリの普及ではないかと。他にもベンチャー投資に回る金が少ないこと、米国や中国への留学生が激減していることに表れている若い人たちの創業意欲のなさ、内向き姿勢、そして、失敗を許容する文化の欠如なども指摘している。

21日の日経朝刊1面トップにも「スタートアップ企業(短期間で急成長を目指す未上場の若い企業)」に関して、日本では資金調達の手法として大企業傘下に入ることを選択することが増えてきたとの記事が掲載されている。世界経済で急速にデジタル化が進む中で、ニューエコノミー分野で日本が盛り返すには、IPOが中心だった日本でも新しい技術に敏感な若い企業が資金調達する手法の多様化は欠かせないと指摘する。

“技術の日本”の看板が急速に減速し、米国、中国に完全に追い越されている現実(大学世界ランキングでも100位以内に中国は7大学に対し、日本は2大学)を見て、目先のGDPにとらわれずもっと将来を見つめた対策を急がなければ、経済成長の面でも、技術面でも日本の優位性が急速に失われていくことになる。2016年6月に閣議決定された「日本再興戦略 2016」では今後10年間で世界ランキング100位以内に10校を目標とするとあるが、中国の大学のランクイン速度に比して日本は弱い。問題の根は大きい。

冲中一郎