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ピンチはチャンスだ、ありがとう

http://jasipa.jp/blog-entry/9431)で、ハローデイの紹介をしたが、その中で「研修で覚える言葉に“ピンチはチャンスだ、ありがとう”というのがある。例えば私に怒られて落ち込んでいる人に「よかったなおまえ、おめでとう。チャンスじゃないか」と言って励ますのだそうだ。それは店舗火災事件で大打撃を受けた時、加治社長が何度も何度も唱えた清水英雄先生の詩のお蔭で立ち直れた経験を活かしての事だ。」と書いた。清水英雄先生の詩とは次の「ありがとう」の詩だ。

つらいことがおこると/感謝するんです/これでまた強くなれると/ありがとう/
悲しいことがおこると/感謝するんです/これで人の悲しみがよくわかると/ありがとう/
ピンチになると/感謝するんです/これでもっとたくましくなれると/ありがとう/
つらいことも悲しいこともピンチものりこえて/生きることが人生だといいきかせるのです/自分自身にありがとう/
そうするとふっと楽になって/楽しくなって人生がとても光り輝いてくるんです/
ピンチはチャンスだ/人生はドラマだ/
人生がとてもすてきにすばらしく/よりいっそう光り輝きだすんです/ますます光り輝く人生をありがとう の心と共に

ハローデイが、やっとどん底の状態から明かりが見え始めたとき、最も稼いでいた店舗が火事にあった。それを聞いて加治社長は車で駆けつけたが、車の中では悪い事ばかりが浮かんできて怖さで震えが止まらなかったそうだ。その時、上記詩がふっと浮かんできて、それを必死で大声で唱え始めた(店に着いたときは声が枯れていた)。店長が「すみませんでした」と謝ってきたとき、口から出てきた言葉は「店長大丈夫や!改装費が1億、2億かかっても君ならまた取り戻せるやろ」。店長は社長から大叱責を喰らうと思っていたところ、このような言葉だったことで嬉しくて嬉しくて涙が止まらなかったそうだ。そして火事の1か月後の再開時、売上がオープン時の35%増しとなったそうだ。この時の経験が「ピンチはチャンスだ、ありがとう」につながった。(「致知2014.5号」“すべては縁ある人と感動するために”より)

一言の重み、先哲・先人の教えの重みをひしひしと感じる。いろんなことを素直に受け止める心が、自分の人生を豊かにしてくれる。江戸時代の儒者・佐藤一斎の言葉を挙げておく。

少にして学べば、則(すなわ)ち壮にして為す有り。
壮にして学べば、則ち老いて衰えず。
老いて学べば、則ち死して朽ちず。

(若いうちに学んでおけば、大人になった時には、人のためになることが出来る。大人になっても学んでおけば、年をとっても気力や精神力は衰えることなく元気でいられる。年をとっても学ぶことを続ければ、ますます高い見識や品性をもって社会に向かうことが出来、死んでもその精神や業績は語り継がれる)

日本で一番視察が多いスーパーの経営哲学(ハローディ)

期せずして「PHP Business Review 松下幸之助塾2014年1・2月号」と「致知2014/5号」に北九州市のスーパー「ハローディ」が紹介されている。松下幸之助塾のリード文は「かって60億円の借入金を抱えて倒産寸前だった北九州の地域スーパー。ここに跡継ぎとして入社した三代目が当初見たのは雨漏りのする店舗、我がちに逃げ出していく取引先と従業員、そして押し寄せる借金取りと言うまさに地獄絵図だった。それから25年。今や業種を問わず見学者が引きも切らない「日本一見学の多いスーパー」として、そして20期連続増収を続けた企業として注目を集める。それは「縁ある人達を幸せにする」という目標に向かって全社員が知恵を集め挑戦を続けてきた結果である。」と。

ハローディ社長の加治敬通氏は、二つの事を徹底的に追及し、パートを含む全社員に徹底している。

「より多くのお客様に感謝する会社」
「日本一働きたい会社」

最初は、倒産寸前の会社を引き受けて、社員や取引先などにも文句ばかり言っていた。その頃先輩経営者から、「相手が悪い時どういう風に指を指す?」と問われて実際に指を指すと「加治君よく見てごらん。人差し指は相手に向いているけど、三本の指は自分を指していないか」と。そして「相手も悪いかもしれないが、自分自身も悪いところが三つあるから考えてごらん」「潰れそうな会社でも商品を卸してくれる人や働いてくれる人、そういう人たちが目の前にたくさんいるのに、目の前の悪いものばかりしか見ていないだろう貴様は!」と怒鳴られた。これで大きな「気付き」を得て、心の中に「感謝」と言う二文字の柱がドンと打ち立てられたと言う。

その後は、「口だけの感謝」から「心からの感謝」とするために徹底的に社員(嘱託社員、エリア社員含む1400名対象)研修を実施している。例えば「お元気様研修(月1回、講師社長・幹部13人、生徒12人)」、2日間かけて感謝や感動といった“人として本当に大切なこと”を学ぶ。実は研修名の「お元気様」は、同社での挨拶言葉として「お疲れ様」の変わりに使われている言葉だ。同社では「暗くて、病的で、反抗的な」“暗病反(あんびょうたん)言葉の使用を固く禁じ、代わりに「明るく、元気で、素直な」”明元素“言葉を使うことを奨励している(”ありがとう“発信を普及させる活動を展開しているヒューマンウェア研究所の清水英雄先生の教え?)。その他にも、各店が如何に客を喜ばせ、感動させられるかを競う、パートが主役の「ハロリンピック(3ヵ月に1回)」や年1回の「全体感動フォーラム」などもある。店舗視察者が最も驚くのはパート社員のモチベーションの高さとか。

加治社長は言う。「私は何のために生きているかというと、それは縁のある人たちと一緒に感動するためなんです。この研修ひとつにしても私は感動の涙を流さなかったことは一度たりともありません。参加者からも毎回、ほんとにたくさんの感動をもらっています。」と。

研修で覚える言葉に「ピンチはチャンスだ、ありがとう」というのがある。例えば私に怒られて落ち込んでいる人に「よかったなおまえ、おめでとう。チャンスじゃないか」と言って励ますのだそうだ。それは店舗火災事件で大打撃を受けた時、加治社長が何度も万度も唱えた清水英雄先生の詩のお蔭で立ち直れた経験を活かしての事だ。

素直に人の言葉に感動・感謝し、自分を変えた加治社長。事業も人生も多くの人に支えられているとの「気付き」と「感謝の気持ち」が日本一視察が多いスーパーを創りだした。その「気付き」を25年間継続して全社員に徹底するという行動にしたのも凄いことだ